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■ 徒然なるままに
シックハウスと高気密

室内汚染物質と高気密住宅の注意点や家のあり方を考えます。
 
 建築を造るとは自然を破壊することでもあるのです。
木造建築を建てる時、その木は何処かの木が伐採されてたことを意味します。床に石を貼れば、どこかの石が切り取られた事を意味しますし、コンクリートを流せば砂や砂利が何処かで採掘
されたと言う事です。この様に創造と破壊は表裏一体なのです。我々はこれを謙虚に受け止めなければなりません。
一つの建築を建てる事でも世界の自然に及ぼす影響がある事を私たちも理解に勤めるべきでしょう。

 建築が建設されれば、いずれは機能を失い寿命が来ます。その時は解体され、産業廃棄物となり、処理されるわけですが、その処理方法のシステムを確かなものとしないかぎり、今問題となっているようなダイオキシンによる空気汚染・河川汚染というような大変な環境汚染は、より広範囲に撒き散らされる結果になるでしょう。建築にはなるべく自然に帰る材料を使いたいものですね。

 室内では最近騒がれているシックハウス症候群があります。ホルムアルデヒドが主な原因ですが、これはいたる所に使われております。合板、ビニールクロス、接着剤、家具、フローリング等に含まれています。室内汚染はこれだけではありません。人間からの体臭や炭酸ガス、温度上昇、湿気、ダニ、埃等です。最近高気密住宅なるものが騒がれていますが、別名ペットボトル住宅とも呼び外部との気密性を高める事により、省エネルギーに寄与する事が目的なのですが、これに問題は無いのでしょうか?もし、あなたがペットボトルの中に入って24時間の換気システムを取り入れて暮らすとしましょう。もし、24時間換気システムが故障したらどうでしょう。たちまち室内汚染が蔓延し、息苦しくなる筈でとにかく窓を開けるでしょう。この換気システムだけが頼りではあまりにも怖いペットボトル住宅です。

今現在、室内汚染物質を減らすことは出来ても、無くす事は実質不可能です。持ち込まれる家具やいろいろな小物にも含まれているからです。まだまだ、現代の日本では無くすには10年はかかると思います。その室内汚染の中で24時間の換気システムと言う機械に頼るのはどうでしょうか?機械は7年が寿命で、メンテナンスが良くて10年です。10年毎に機械を更新しますか?通常ダクトは天井に隠されます。その度に天井を壊しダクトを交換しますか?機器だけ交換すればいいと御考えの方もおりますが、いくらフィルターを通しても人間の体内から発せられる脂肪分粒子、キッチンなどからでる油の粒子は目に見えませんが空気中を漂っているのです。それら粒子はフィルターを通過してダクトの内部に付着します。これらにいろいろな雑菌が付着するはずなのです。又、本当に24時間機械を運転するでしょうか?ランニングコストもかかります。止めてしまう可能性が高いのではないでしょうか?もし止めるのなら、逆に通常の住宅より気密が高い分息苦しくなる筈です。考えてみて下さい。ペットボトルに居るあなたが24時間換気システムを止めた状態を。わたしは24時間換気システムを否定しているのではありません。採用する場合はこれらを注意し、取替えが容易に、ダクト距離は短く、部屋間の音の配慮、空気圧の配慮、なるべく使用しなくていい家の造りにするなど、補助的な使い方に徹することが大切だと考えています。

「メンテナンスフリー」と言う言葉が神の言葉の如く捉えている方がいますが、今あなたの廻りを見渡して身近な物や道具でメンテナンスフリーの物を見つけましたか?無いと思います。実は本当の意味のメンテナンスフリーは無いのです。もしあると答えたら、それは使い捨ての商品ではありませんか?そうです。使い捨ての発想だとメンテナンスフリーとなるのです。建築は長くもたせれば持つものです。それは必ずメンテナンスが条件になります。世界最古の木造建築法隆寺も僧侶たちが清掃をし、代々腐った場所は宮大工が早期に手だてを打ち、メンテナンスを欠かせなかったからあのような長寿の建築になったのです。

最近100年住宅と言う言葉がよく言われますが、これは構造を100年もたせようと言う事で100年保証するものではありません。保証書はでません。意味がないからです。100年後はその会社が倒産しているかも知れませんね。これを保証するのは国か自治体がするしかないでしょうが、それは考えられません。構造を100年もたせるのは法隆寺の例を出すまでもなく、現存する地方の民家は100年以上建ち続けています。どんな建築も設計と監理とメンテナンスが確りしていれば100年以上簡単に構造は持ちます。

環境の事を考えるなら家は買う(商品を買う)のでは無く家は注文するものとお考え下さい。

誤解しないでください。高気密を否定しているのではありません。
もし、ご家族にタバコを好きな方がいたら、外で吸ってもらう覚悟が必要です。臭いが結構充満します。

高気密は職人さんがその意味をどれくらい理解して施工しているか?にかかります。毎日、現場で直接施工する職人さんが理解しないで、こころのこもった家はできません。これは高気密に限ったことではありませんが、日本のように職人さんを国として育てるシステムが存在しない限り限界があると思われます。質の高い建物を建てるにはドイツのマイスター制度のようなシステムを早く構築しなければならないでしょう。

しかし、残念ながら福祉と同様に政治家や欲望だけの実業家がお金のために利用されるようなものではあってはなりません。こころを込めた家づくりをが大切です。

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