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■ 工事監理のドキュメンタリー
家が出来るまでのドキュメンタリー
利根町の家が出来るまで。

これは利根町の家を通して、家ができるまでの工事の進み具合と、それを通して我が設計事務所がどのようにそれを監理してしているかを擬似体験してもらうための道標になればと、作成しました。
「いい家」が出来るには設計の他に監理が欠かせません。また、当然ですが、こころある施工会社と能力や意識の高い職人の技無しにはできない。ということも理解できると思います。
これらから何が大切か、ということを理解していただけたら幸いです。

スウェーデン式サウンディング試験
建物を支える大切な地盤。
地盤調査なくして設計はできません。

通常はSS試験が木造は多いですが、状況によってはボーリング調査が必要です。

既存建物解体
いよいよ既存建物の取り壊し。
いろいろと思い出の詰まった家・・・普段離れている子供たちも集まりみんなで思い出話に花が咲いたようです。

古屋とのお別れの儀式ですね。
でも、新しい家の門出でもあります。

手前の既存塀は新築に合わせて一部を残し、一部を撤去しました
地鎮祭
きれいに均された敷地で地鎮祭です。
土地の守護神を祀って工事の安全を祈願します。

お施主さんもちょっと緊張気味。
地縄張り
建物の位置を縄やビニル紐などで地面に表します。
ふむふむ、このくらいの大きさになるんだなあ。

建物の形状、隣地や道路との距離の確認。
どれも大切な確認作業です。
遣り方
柱・壁などの中心線や水平線を設定するため
必要な箇所に杭を打つ仮設物です。
ここで設計図を敷地に写すような作業が始まります。

図面の通り芯を記入します。また、水平も確認し、建物の基準となる大切な作業です。
根切り
基礎などをつくるため地面を掘削することを言います。
写真はその後砕石を敷設しているところです。
これを転圧して基礎と地盤を馴染ませる大切な作業です。
捨てコンクリート(捨てコン)
基礎をつくる下地となるものです。
ここで平らにして墨出し(位置を表すこと)や、鉄筋の配置をしやすくします。

このコンクリートは基礎ではありません。基礎の下地になるものです。わたしはこれは大切な作業だと考えていますので、私どもの設計では必須です。皆様の今後他の現場を見る機会があったら見てください。これをしていない現場が如何に多いかを!
これをすることで鉄筋のかぶりの確保、正確な墨出しができます。このコンクリートを捨てるようなものなので、「捨て」がついています。重要です。
捨てコンクリート2
捨てコンクリートが完成しました。これが今度は大きな図面となり、ここに正確に通り芯を書き出して正確な位置を確定します。

大きな図面となる事がお分かりいただけると思います。これがないということは大きな図面を書かないということですから正確性が確保できません。
捨てコンクリートチェック!
地業工事の最終確認に来ています。
右の人物が監理者のわたしです。
配筋敷設
今回の基礎は底盤の形を採用しています。
底盤配筋は2段筋ですが、その下の1段が敷設されています。この鉄筋と捨てコンのかぶりの確保が大切です。捨てコンがない砕石や割栗の場合かぶりの確保は困難といっていいと思いますが、世間では捨てコンを打たないものが多いです。
基礎の立上りをご覧ください。ダブル配筋です。これはコンクリート造と同様に基礎梁として確り設計されています。通常はシングル配筋ですが、今回は地盤や建物形状を加味して、構造家大内氏が構造計算を担当しました。

鉄筋が本当に整然と並べられています。
基礎屋さん、すばらしい仕事をしています
配筋2
美しく配置された鉄筋はそれだけでアートになり得ます。
そして美しい場合には、正しく適切に仕事がされているからです。

底盤の上の鉄筋の敷設も終わりダブルになっているのがわかると思います。通常の底盤はほとんどがシングルです。地質調査の結果からシングルかダブル配筋か決定されます。今回はダブル配筋なので、木造の基礎とは思えないほど確りしていますね。

鉄筋に板がありますが、これはここを人が歩く道です。いい職人は直接鉄筋の上には乗りません。
型枠建て込み
いよいよ基礎を形造る型枠の設置です。
まずは外周の型枠を起こしていきます。

赤いジャンパーの方がこの芸術的な配筋を施工した職人の関芳さん。全国ブロック大会に参加して入賞した技の持ち主です。
型枠建て込み2
ようく写真を見てください。整然と鉄筋が並んでいるのがわかると思います。鉄筋は後にコンクリートが打設されて隠れてしまいます。しかし、本当のプロの職人はそれでもこのようにきれいに配筋するのです。それには板道を作りその上で歩行する。または捨てコンの上にしか立たない。それを守っています。ですから人の体重で鉄筋が曲がったりゆがんだりしないのです。それほど仕事を愛し鉄筋を愛する職人こそ正に職人の技の極意です。

長い鉄筋は浴室周りの鉄筋です。
アンカーボルト設置
基礎の上から飛び出しているのがアンカーボルトとホールダウンのボルトです。基礎の鉄筋に確り結びます。
これはボルトの位置を図面通りに決めるのに重要な作業です。

コンクリートの打説時に、このボルトを挿入する施工業者もありますが、原則私の事務所では禁止しています。これを俗に「田植え」と呼んでいますが、入れるときにコンクリートとボルトの間に隙間ができること。コンクリートを荒らす事。急いでするので正確な位置が確保できない事。が禁止の理由です。
捨てコンクリート3
玄関ポーチの部分は布基礎としています。
これは布基礎の底盤の型枠です。
上棟
上棟は木造工事の工程のなかでも一区切り、お祭りのようなもので、棟梁はじめ何人もの大工さん、とび職人が次々と架構を組み立てていく様は圧巻です。

お施主さんにしても我々にしても初めて建物の形が見えるのですから感慨深いものがあります。
木工事1
上棟すると、屋根工事、外壁工事の順に仕事が進んで行きます。ここでは屋根工事の野地板が敷設終わったところです。斜めの材は仮設筋違いです。構造壁が敷設し終わるまでの当面の仮の筋違いになります。
木工事2
こちらから見るとこんな感じ
木工事3
設計図通りに金物が配置されているか、きちんとチェックします。

柱に取り付いているのがホールダウンで地震時の引き抜き応力に抵抗します。筋違いの金物は公庫仕様のZ金物です。岩井大工さんは大変すばらしい職人さんです。きれいに納めています。
木工事4
2階のホールダウン金物です。1階のホールダウン同様に1階の柱と2階の柱を確り結び付けます。
木工事5
外壁が覆われ、サッシがつくと、中が雨に濡れなくなるので一安心
木工事6
耐力壁を利用して収納に。出来上がりは竣工写真のお楽しみです。手前は大工さん手作りの仮設作業台です。
移動持ち運び便利な折りたたみ式。
木工事7
お風呂の丸窓用の開口です。
柱には防蟻防腐処理がされ始めました。
木工事8
だいぶ雰囲気がわかるようになってきました。
屋根
い〜ら〜か〜のな〜みいと〜♪
思わず口ずさみたくなってしまう・・・
右はいぶし瓦、左はガルバリウム立ハゼ葺きです。

手前に立っているものは手摺を支える支柱です。
木工事9
構造用合板は普通の合板とは強度が違います。
Fc0がホルムアルデヒドを抑えたという印です。
木工事10
ふむふむ・・・現場で完成図をイメージして仕上げ材などを変更していくこともあります。現場でイメージ通りかを再確認しているわたしです。
断熱材
外壁の断熱材。ただ入れてあれば良いというものではありません。きちんと留めておきましょう。これは作業途中風景です。今回は内断熱工法を採用しています。
木工事11
平屋部分の外壁、杉の下見板張りができました。
ちょっとなつかしい雰囲気。
木工事12
手前は岩井大工さんです。
本日は道で作業しておりました。
木工事13
リビングからキッチン方向を見ています。
天井にはエアコンが取り付けられています。
珪藻土・・・の下地
珪藻土仕上げのためのモルタル下地です。これはこれでまた面白い感じですね。トップライトが効いています。

天井材は杉板の無垢材です。自然な感じがでていますね。
外壁
外壁の弾性吹付材のための下地モルタル。
こんな色のままでも良いかも・・・・?
家具
造りつけの家具が入りました。やはり造りつけにすると空間とマッチします。
造り付けの収納、食卓用のフード、テーブルも設計しています。出来具合を確認しているわたしです。
吹抜け
太陽の恵みを1階にもふんだんに。
木工事14
収納の様子が出来てきました。
塗装職人さんもいよいよ下地処理の段階に入っています。
仕上げ、塗装
杉の下見板は黒で塗られ、弾性吹き付け材は白に・・・この家のサブタイトルは”Black&White”
(そのまんまや!)
建具
全部引き込まれる和室の木製建具が搬入されました。
これが全部戸袋に収納されます。
タイル・・・の下地モルタル
お風呂はタイルを貼るのでその下地のモルタルです。
やはりこの状態でも美しい・・・お風呂というより教会みたいですね。(^^;)ゞ
外構
塀の基礎を造っているところです。裏玄関に入るためのちょっとした路地が出来上がる予定。
建物と塀の位置関係や取り合いを確認しているわたし。
木工事15
吹抜けの手すり。まさに職人の技!
大工さんに拍手!
家具
キッチンもオーダーで造りました。どうしても既製品だと浮いてしまうのでキッチンはぜオーダーしたいものです。

意外と高くないのですよ。カウンターは人造大理石に今回はしています。

キッチン、テーブル、木製フード、下駄箱収納、木製ポスト等の製作は小回りの利くREW CRAFT家具製作工房の長谷川さんが担当しました。
家具・フードは決まっています。
ダイニングのフード
このLDのメインとなるフードです。
家族の団欒の場ですね。

何か気がつきました?以前のフードの写真をもう一度見てください。樺の無垢材で作成していただいたのですが、その目がどうしてもわたしは気に入りませんでした。ここは涙を飲んで施工会社にやり直しをお願いしました。木材も現物を見て選定した結果、胡桃材の柾目でいいものが見つかりましたのでこれに変更をお願いしました。
こだわりのある設計者だからこそ監理でも妥協せず。
施工会社の蛯原さん、対応していただきありがとう。お施主様も大喜びでした。
建具
リビングから玄関を見たところです。
ガラス障子は当初FIXだったのですが動くようにしました。
これも設計者が監理者でもあるなせる業。

可動にしたのは家具等の搬入が容易にできるように配慮しました。施主にやさしい設計者。(^^;)ゞ
建具屋さん悩む
建具を吊り込んでいるところです。
やたら数が多い・・・。
工事に携わった方々 その1
左が芸術的な配筋をして基礎を造ってくれた関芳さん。
設計者も今までで最高の配筋だと絶賛!
基礎がしっかりしていると本当に安心ですね。
右が施工会社社長の蝦原さん。いつも携帯が手放せません。
「いい物を作りたい」という設計者の意志を理解していただき職人さんの手配、工程の管理にまさに東奔西走してくださいました。
基礎を造り上げたら日本一の関芳さんと施工会社の(有)wood factory ebiharaの蝦原社長(電話中)
建具
4本のガラス戸、4本の障子そして網戸1本がすべてここに収納されます。シビアな納まりが要求されます。
タイル
お風呂のタイルが貼り終りましたモルタルの時とはやはり明るさが断然違うことにご注目ください。
工事に携わった方々 その2
この方が大工の岩井さんです!
随所にその技術の高さを魅せてくださいました。
仕上がりまですべて見通して仕事のできる、まさにプロフェッショナル!!設計者がお尻をたたかれ通しだった頼もしい大工さんです。設計のわがままにも根気よく応じていただき、まさに やり遂げた!とい感じです。

本当にありがとうございました。
ちょっと照れた笑顔が素敵ですよ!
妥協を許さない職人の技を持つ岩井大工さんです。
珪藻土
1階和室の珪藻土です鼻のような黒いものはささやかな床の間・・・のつもりです。一輪挿しがよく似合いそうですね。

ここでは時間とともに陽の差込が変化する陰影を演出しようとしています。陽が差し込むとある時間には影が天に昇るような変化がでます。
2階和室
寝室になる部屋です。天井は折れ天井とし落ち着いた雰囲気を演出しています。

この障子からは朝日が差し込みやさしく朝の目覚めを誘ってくれるでしょう。
最後に・・・設計者
設計者の荻原です。
蛯原さんやその職人さん皆様に本当に良い仕事をしていただき、感無量でぬれ縁でくつろいでるところです。

いやあ〜いい家だ!
今度お風呂に入らせてもらいに来よ〜っと。
竣工写真は ここ からご覧ください。

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知識本編:「いい家づくりのQ&A100」        実用本編:「家づくり履歴アルバム」

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