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■ 地震に備える心
阪神淡路大震災で思うこと
今、HPが揺れましたね。
このように地震は予期せぬ時に突然起こります。

私は悲しく思います。
これを天災であったと一言で片づけられるのでしょうか?
 1994年1月17日アメリカの西海岸でロサンゼルス地震が発生した時に時、建物や高速道路の倒壊がテレビの画面に映されました。私も含めて日本の学者や建築の設計に携わる人々は「この様な事態には我が国では起らない。我が国の耐震設計は世界でも最高水準の設計である。」と口々に言っていたものですし、又そう信じて疑う者もおりませんでした。

 1995年1月17日早朝、地震が阪神地方で発生したことが伝えられ、ヘリコプターからのTV映像が神戸の街全体を映し出しました。幾筋かの煙が立ち昇っているのが見えますが、まだ状況は把握出来ません。映像は次々とズームアップし、あの惨澹たる状況を映し出したのです。私は自分の中の何かが崩れ落ちてゆくものを感じながら、その映像を食い入る様に見守りました。鉄骨造の商業ビルの倒壊、総合病院のRC造の中間階のせん断破壊、高速道路の柱脚の破壊、特に被害の多かった木造家屋の倒壊・・・なぜ?なぜ?

しかし、わたしの中にグルグル廻る言葉がありました「工事監理者不在」と言う言葉です。工事監理者と言う存在が何をする人なのか?何人の方が知っているでしょうか。全国民の一割もいないのでは無いでしょうか。これほどに重要な業務が知られていない、これこそが、この国の悲劇では無いのか!・・・と思わざる負えません。欧米では当然である第三者の工事監理者が日本では、まだまだ形だけの場合が多いのです。

地震で倒壊する場合、その原因は設計ミスと施工ミスがありますが、設計ミスの場合は日本のような地震国は安全率を高くみてますので、それほど大きな問題に至らないと思いますが、工事が設計図とおり施工されているか否か?を確認するのが工事監理者の役目です。これは大変重要なことで第三者が本来見るべきことなのでしょうが、日本の風習では昔は大工さんが現在の設計と工事をしていましたので、現在もその風習で設計施工の多い日本では第三者の工事監理はなかなか実現しないところです。また、第三者的にみえる設計事務所でも、構造に精通している意匠設計者は百人に一人程度かもしれません。その現状では安心できないのが工事監理だと思います。

本来倒壊する筈の無い建築が倒壊する。これは構造に深い知識のある設計者の第三者工事監理者不在による人災でもある、という結論に私は達しました。建築する時は出来る限り信頼できる
第三者の工事監理者をつけて、地震が来ても生命は失わないような建築を建てて下さい。本来は当たり前のようにみえる事でも現実はそのような体制にないのが実情です。

家族の命を守る建築を造るのは、あなたの認識や人を見る目に懸かっています。家を造る人を選ぶのはあなたが「この人なら命を預けても構わない」と思うほどの方を選びましょう。全てはあなたの「見る目と認識」に懸かっています。知らぬが仏で本当の仏にならないでください。


2011年(平成23年)3月11日(金)東日本大震災が発生しました。この地震地震そのものよりも、大津波の破壊的パワー・原発爆発の放射能汚染・広域な液状化の被害など連動した二次災害が大きな被害を被りました。
危機管理意識の軽薄化が日常の活動の中にうまれているのかもしれません。もう一度、各自が危機管理意識を考える必要がありそうです。津波被害は防げなかったのか?原発爆発は防げなかったのか?液状化は防げなかったのか?をです。
千葉県浦安市の液状化に被害。道は波打ち昔の堤防も破壊されました。電柱も傾斜し、液状化した砂は噴出し、重い建物は沈下傾斜するのが、液状化による不同沈下だ。
左が当社が設計したH-H-HOUSE
浦安市の震災で液状化に耐えた建築
右はH-H-HOUSEが竣工した後に建設された木造であるが、垂直ホワイトラインから左に傾斜しているのがわかるだろう。H-H-HOUSEは全く傾斜しなかった。沈下もしていない。その理由は設計当時より液状化に対する対応をしたからだ。当時私が考えたのは文字通り液状化する砂地盤を敷地から逃がさなければ液状化は起こさないと推定し、地盤底は地盤改良で砂を固めた。廻りはシートパイルを打ち込んで、敷地から隣地や道路に砂が逃げないように設計した。結果は見事に成功し、液状化に耐えた家が実現した。

液状化は自然現象として、傾いた家に税金を投入し、復旧している。それはそれとしても、浦安等液状化する地域で設計する者は建物を守るという使命がある筈だ。そんな発想もない建築士の設計した建物の多くは液状化の被害を受けた。その責任はないのだろうか?問われても仕方がないのではないか?なぜなら、事実として、このH-H-HOUSEは見事に液状化を阻止できて、税金も使っていないのだ。耐震補強工事や耐震診断でも、もともと、安全を配慮した設計だったら、そんな無駄な補強工事も税金投入もいらなかったろう。

この、ものづくりという魂を忘れた家づくりから、いつこの社会は目覚めるのだろう。


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魂を入れた建築は地震によって壊れることはありません。